エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラの3カ国は状況が非常に深刻化しています。
何故深刻化しているのか!?
この3カ国にはギャング集団「マラス」という大手組織による犯罪が横行しており、政府でさえ成すすべなく完全に無法地帯となっています。
政府でも手が出せないってどんな恐ろしい集団なんでしょうか!?
ぼくたちの暮らす日本の日常からは、ギャングという言葉などまず聞くこともなければ発することもないです。
ニュースや新聞、またはドラマや映画くらいでしか目にしない言葉ですよ。
しかし、現実世界では遠く離れた国々に多くのギャング集団が存在しており、罪のない多くの人々が殺人に巻き込まれています。
その中でもこのマラスというギャング集団が、いま問題として世界中のメディアに取り上げられているのです
このギャング集団「マラス」に焦点をあててもう少し詳しくみていきましょう。
ギャング集団「マラス」ってどんな連中なの!?

マラス(Maras)は、もともとアメリカ合衆国から発生し、エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラで勢力を広げている今最も恐ろしいとされているギャング集団です。
本拠地の米国で1万人とも2万人ともいわれる構成員がいて、世界全体では凡そ10万人を超える構成員が存在します。
縄張り内の商店主やタクシー、バスの運転手からみかじめ料を徴収するほか、恐喝、女性への暴行、人身売買、殺人とありとあらゆる犯罪に手を染めています。
同地帯はコロンビアから米国へ運ばれるコカインの密輸ルートとなっており、近年はメキシコの麻薬組織であるカルテルとの連携を強めているという話もでています。
また、彼らギャングメンバーの大半は入れ墨を入れています。
入れ墨には「La vida por las maras」と彫られており、彼らギャングたちが好んで使う言葉です。
彼らにとってギャング集団はいわゆる「家族」なんです。
そう、彼らにはギャングに入るしか初めから道がなかったのです。
何故ギャング集団に入るのか!?

少年たちがマラスのようなギャング集団へ入る最大の理由として、社会に存在する格差、貧困の存在が非常に大きいのです。
スラムには定職に就いている大人がほとんどいません。
例え職があり、毎日真面目に働いたとしても貧困から抜け出せる見通しが一切立たないのです。
ラテンアメリカでは、努力が報われることはほんとうに稀にしかありません。
有能であったとしても、よほどのコネがない限りは「成功」という名誉を手にすることはないのが現実です。
だからこそギャングという集団は多くの貧困の若者たちに自分が自分であるための居場所やお金を与えてくれるです。
逃げるしかない!!

「お前がどこに住んでいるのか、子どもたちがどの学校に通っているのかも分かっている。この日までのこの金額を出せ。さもないと、子どもたちを殺したうえでお前も殺す」
突然一人の青年が歩み寄ってきて、「あなたに電話です。」と一言添えた上で携帯電話を渡します。
そして、その電話をとると脅迫が始まるのです。
この脅迫までの流れには準備期間があり、相手の生活スタイルや住居すべてを特定した上で行われています。
結果、電話口の住民はこれに対して一切逆らうことができないのです。
わが身の可愛さのため、愛する家族や子供のため。
言いなりになる以外選択がありません。
このような行為が一般的にされているのが現状です。
これに対し、人権団体からは「政府が何もしないため、逃げるしかない」との声があがっているようです。
まとめ
ギャング集団の一員である彼らは好きこのんでギャングになったわけではないのです。
その日暮らしもままならない日々から脱却するため彼らはギャングの一員となり、犯罪に手を染めていきます。
これに対して政府が何もしないのは果たして「怠慢」と呼んでいいものなのか?
何かやれることはあるのではないでしょうか。
生活水準をあげるべく環境の整備、仕事の斡旋、警察組織の強化。
もちろんそれには巨額のお金が必要になります。
そこでキーとなってくるのが他国との相互協力です。
決して見捨ててはいけない、邪見にあつかってはいけない。
各国々がいまこそ協定を結び、損得勘定なしに助け合い、支え合うことが必要なのじゃないでしょうか。
世界はいまそれくらいの危機に瀕しています。
「自分には関係ない」「自分さえ幸せだったらいい」
ぼくもそう思います。
しかし、それでは未来へ何も残せません。
日々の生活から1分でも10分でも世界に視野を向け、未来の子供たちへ何かを残せないか考えることが必要なのではないでしょうか。
エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラを中心に拡大した犯罪集団の総称で、メキシコ移民やエルサルバドル内戦(1980~92年)を逃れた人々たちによって米ロサンゼルスで組織されたギャング集団。
96年に成立した「移民責任法」によって強制送還された不法移民の犯罪者が、祖国などで再び組織化した。
多くの下部組織を持ち、米国、カナダにも勢力を広げる。
全世界には10万人以上の構成員がいるとされる「マラ・サルバトルチャ(MS-13)」、ロサンゼルス地区だけでも2万人を超えるメンバーを揃え、全米最大のギャング組織と言われている「バリオ18(18ストリート)」が二大勢力。